韓国戸籍謄本(除籍謄本)
2015年2月頃に「韓国籍の人」が帰化申請を行う際に必要な書類の一つとして「韓国戸籍謄本(除籍謄本)」が追加されました。
「戸籍謄本(こせきとうほん)」とは、戸籍に記載されている全員の身分を証明する書類のことです。また、結婚や離婚、死亡などで戸籍に記載されている人が誰もいない状態の戸籍のことを「除籍謄本(じょせきとうほん)」といいます。
韓国籍の人が帰化申請を行うにあたって、この戸籍謄本(除籍謄本)や登録事項別証明書など、さまざまな書類を用意しなければならないため、帰化申請の手続きが一番大変なのは「韓国籍」と言われるまでになってしまいました。
また、除籍謄本を用意する際は、「どのくらい過去の書類を用意するか」という問題が発生します。この問題は、地方法務局ごとの担当官の判断によって異なります。
ただし、直近の除籍謄本(韓国戸籍制度が改正された2008年1月1日時点のもの)だけで済むケースはあまりありません。
そのため、帰化申請には、相当な労力と時間がかかる可能性があることを覚えておきましょう。帰化申請者本人だけの除籍謄本でよい場合もあれば、両親の除籍謄本が求められる場合もあるため、申請の際に詳しく確認することが大切です。
なお、除籍謄本の入手方法は、韓国領事館で発行してもらう方法や、本国に連絡して取り寄せる方法などがあります。入手の際は本国の本籍地の地番が必要となるため、あらかじめ確認しておきましょう。
加えて、除籍謄本などの書類はハングルで書かれているため、日本語で書かれている「翻訳文」も合わせて用意する必要があります。
SECTION1
除籍謄本が見つからない場合
除籍謄本を探しても見つからない場合もあるかもしれません。その場合は、最終手段として、除籍謄本の代わりに「戸籍がないことの証明」を行う必要があります。
とはいえ、帰化申請自体は手続きが多く、負担の大きい作業です。それに加えて除籍謄本が見つからないとなると、申請者本人だけで帰化申請を進めることが厳しい場合も多いでしょう。そのため、行政書士などの専門家に相談することも視野に入れて準備を行うことが大切です。
また、専門家に相談する方法以外んに、近隣の民間団体に相談して手助けしてもらう方法もあります。ただし、高い手数料や団体費を要求される可能性があるため、相談する場合は事前に費用面を確認しておくとよいでしょう。
除籍謄本が見つからない場合でも自力で帰化申請を進める際は、韓国の役所に対してハングルで直接手紙を送りましょう。韓国の役所で調査してもらうと、多くの場合「探したけれども見つかりませんでした」という回答が書面で送られて来ます。その書面を日本語に翻訳して添付し、除籍謄本がないことを証明しましょう。
また、韓国に送った際の「手紙の控え」「書留伝票」「返信封筒」は、本国に請求したことの証拠になるため、大事に保管しておくことが大切です。なお、戸籍の調査をする場合は、事前に両親の「閉鎖外国人登録原票(※)」を取り寄せしておくことをおすすめします。
閉鎖外国人登録原票(へいさがいこくじんとうろくげんぴょう)とは、外国人の氏名や生年月日、国籍などの個人情報が記された書類のことです。もともとは「外国人登録原票」という名称でしたが、2012年に閉鎖されたため「閉鎖外国人登録原票」といわれています。
SECTION2
日本語の翻訳文に関する注意点
除籍謄本を取り寄せたら、日本語に翻訳しましょう。ここで注意しなければならないのは、
「全ページを翻訳する」ということです。必要と思われる部分だけを翻訳する人も多いですが、それでは受け付けてもらえない可能性があります。必ず発行者の印鑑なども含めて全ページを翻訳した上で、翻訳者の住所・氏名を記載して押印しましょう。
SECTION3
除籍謄本の有効期限は1年程度
除籍謄本の有効期限は、ほとんどの法務局において発給日・翻訳日から1年程度となっています。前述した通り、帰化申請にはさまざまな手続きがあり、準備に多くの時間がかかる場合もあるため、有効期限切れにならないように期限を確認しておきましょう。
あとがき
韓国籍の人が帰化申請を行う際は、「韓国戸籍謄本(除籍謄本)」が必要です。除籍謄本は、提出する範囲が地方法務局で違うほか、日本語に翻訳しなければならないため、申請する際はしっかり確認しておきましょう。
さむらい行政書士法人では書類収集など帰化申請のサポートを行っておりますので、ぜひご相談ください。